特定の入居者をターゲットとするコンセプトマンションが徐々に増えています。
猫との生活を想定したマンションや、楽器を演奏可能なマンションなど。
DIY可能なマンションは…コンセプトマンションになるんでしょうかね?
今回は「楽器が演奏できるマンション」のお話です。
▪管理規約の壁
一般的なマンションの管理規約では、楽器の演奏について時間帯の制限を設けたり、
そもそも演奏不可としているケースがあります。
賃貸マンションでは楽器不可の物件の方が多いように感じますね。
その一方で、居室の防音性能を高めることで、楽器の演奏に制限を設けていないマンションも存在します。
物件の数が多くありませんのでなかなか募集を見かけませんが、楽器を演奏可能な程の防音性能が近年の某ウイルスによってより注目を集めています。
▪近年では防音設備の需要UP! なぜ?
これまでは音大生などがターゲットとなっていた防音マンションですが、近年ではコロナ禍の影響で外出を控えて、自宅で楽器を楽しみたいという需要も増えてきました。
さらに、楽器の演奏以外でもテレワークなどの普及により、自宅の防音性への注目が高まっています。
取引先との重要な打ち合わせや、社外秘の情報や個人情報などが防音性の低さゆえに、
隣の部屋へ筒抜けなんてことになってしまえば目も当てられません。
そのような需要も相まって、最近では防音性の高さがアピールポイントになっているようです。
▪資産としてはどうなの?
住まいのお話をする際には毎回のように出てくる「資産価値」ですが、防音性能が高い不動産の資産価値はどうでしょうか。
断定的なことは言えませんが、このような特徴のある物件が分譲マンションで出回ることは少ないと思われます。
「特徴のある物件」は必ずしも「一般的に希望される物件」だとは限らないからです。
もし新築分譲マンションを販売する際に特徴のある物件を作った場合、もし売れなかった場合はディベロッパーが損をする可能性があります。
そのようなリスクを背負ってまで「特徴のある物件」にこだわるメリットはそこまで多くないように感じます。
逆に投資用としては案外悪くない選択肢かもしれません。
しっかりと市場や周辺環境、そのエリアでの需要を調査し、リスクがそこまで大きくないのであれば一つの選択肢となり得るかもしれないでしょう。
この記事を書いている筆者も、過去に防音仕様の部屋がある賃貸マンションを見学したことがありますが、防音されている居室で派手にギターを演奏したにもかかわらず、居室の外への音漏れはほとんどありませんでした。
しかし建築コストの影響か、同様の条件で防音設備の無い一般的な部屋と比べると、
やはり家賃が相場より高めであったと記憶しています。
そうした場合には、物件の立地条件や快適性で優位を確保することがポイントになりそうです。