「資産」だったモノ
「負動産」という言葉をご存知でしょうか。
価値が下がり資産どころか、自身の資産を食いつぶすだけのお荷物になり下がった不動産を「負動産」と表現することもあります。
その「負動産」ですが、今では「腐動産」と呼ばれるものまで登場しています。
文字通り、放置されて腐っています
平成バブルで生まれた「負動産」たち
平成バブルの象徴の一つにスキー場があります。
あ、筆者は平成バブルを知らない世代です
当時はスキー場付近のホテルに宿泊しスキーを楽しんでいたらしいのですが、ブームとなっている以上ホテルの予約も取りにくかったでしょう。
宿泊場所の予約が困難ならば、そこに自分で部屋を保有してしまえば宿泊場所の問題は解決します。
バブルと負動産にどのような関係があるかですが、越後湯沢のリゾートマンションがこの負動産と呼ばれています。
越後湯沢もバブル期のスキーブームでリゾートマンションが林立しました。
当時の販売価格ですが、同時期の東京郊外のマンションとほぼ同等らしく、今では信じられない金額です。
ですが、現在では当時の栄華など見る影もありません。
現在の販売価格は10万円程度。
大暴落という表現では生温く、越後湯沢のリゾートマンションはもはや無価値になっています。
お金を払ってでも手放したいという所有者も存在するくらいに、越後湯沢のリゾートマンションは「負動産」になっています。
バブル期にこれらのマンションを購入した方々はすでに高齢化し、亡くなられている方もいると思われます。
不動産を所有する人物が亡くなった場合、相続が発生します。
ですが、資産価値が無いどころか、自身の資産を食いつぶす「負動産」を欲しがる人はあまりいません。
その結果として、相続した不動産の所有権移転の登記を行わずに、亡くなった方が登記簿上の所有者になっているケースが増えているとのことです。
それにより、マンションの管理組合が機能しなかったり、管理費や修繕積立金の未納が発生してしまい、建物の廃墟化が進行してしまいます。
このような「負動産」が放置され、発酵の進んだ「腐動産」として問題となっています。
越後湯沢の現状
バブル期に林立したリゾートマンションですが、現在は高齢者のデイサービス施設のような状況になっています。
数十万円の購入費と月額数万円の維持費用でリゾートマンションに住める点は利点なのかもしれません。
継続的に住居として使用されている部屋ですが、越後湯沢のリゾートマンション全体でも1割程度あるかどうかとのことです。
所有権移転の登記を行わなかったり、相続人が雲隠れしてしまうことによってマンションの管理費や修繕積立金が払われないことによって、
建物の修繕や管理が行き届かずに廃墟化することは越後湯沢だけの問題ではありません。
廃墟化するマンションや、管理組合が機能不全を起こしてしまうことは全国で起こりえます。
この先、バブル期のリゾートマンションはどのように変化していくのでしょうか。