マンション購入の場合に注意すべきポイントはいくつかあります。
購入時にかかる費用、管理組合が機能しているか、修繕積立金がしっかりと積み立てられているか…
いくつかどころか沢山ありますね。
その中でも今回は「敷地の利用権」についてのお話です。
一般的なマンションでは敷地の利用権が「所有権」となっていることが多いです。
しかし中には敷地の利用権が「借地」になっている場合があります。
この利用権が「借地」の場合はどのような点を注意すべきなのでしょうか?
地代の発生と借地期間
土地利用権が賃借権の場合に注意すべき点は、まずは地代の負担です。
土地を借りているので、地主に対して毎月の地代の負担が発生します。
賃貸で部屋を借りたら毎月の家賃を支払うと思いますが、部屋を借りるのか土地を借りるかの違いです。
(間違っても踏み倒さないでくださいね…)
ただ、この地代の負担についてですが、土地を所有権として所有していた場合であっても固定資産税が発生します。
部屋を借りている場合は固定資産税は発生しませんが、購入した場合は固定資産税が発生することと同じですね。
そのため、単純に借地だから負担が大きいというわけではありません。
借地権の期間も注意が必要となります。
借地の場合には、更新が可能な借地と、更新ができない定期借地があります。
定期借地の場合には、借地期間が終了すると借地権が消滅してしまうため、注意が必要です。
定期借地のリスク
定期借地のマンションについては、そもそも購入費用が相場より抑えられているケースが多いので、購入時の一時的な負担を抑えることができます。
例えば都心の一等地であっても、定期借地のマンションであれば価格的に購入できる!といったケースも存在するかもしれません。
(あくまでも可能性のお話です)
ただし、借地期間が決まっているため、毎月の管理費・修繕積立金と併せて、解体積立金を徴収しているケースもあります。
将来解体するための費用を毎月出資していくことになります。
定期借地のマンションの最大のリスクは、残りの借地期間が短くなったときです。
売却を検討した場合でも、取り壊しが決まっているマンションを購入したいと考える人は稀ですので、よほど価格を下げるなどをしない限り、買い手を探すことは困難です。
さすがに数年後に解体されるマンションをわざわざ買うかと問われて、YESと答えるケースはかなり少ないと思います。
また、賃貸に出す場合でも、立地が良く、短期的な利用を考えている入居者に限定して募集することになるため、物件としての魅力は限定されてしまいます。
本当に単身赴任などの一時的な入居が主なターゲットになってしまうでしょう。
もしくはそのマンションにどうしても住みたい方、今時の言葉で表現するなら「ガチ勢」といわれる方がターゲットになるかもしれません。
定期借地の物件の購入を検討される場合には、ほぼ賃貸物件を選ぶ感覚が近いのかもしれません。
しかも退去時期が決まっている賃貸物件です。
購入に充てた資金は戻ってこないものとして、その立地や居住の利便性を消費するという考えが適切です。
家賃を一気に前払いするような認識がわかりやすいかもしれません。
(管理費や修繕積立金、場合によっては解体積立金を毎月支払うことになりますが)
単純に賃貸物件を探すよりも、自由に造作をいじることができる、立地が優れている、グレードの高い設備が備わっているといった点を重視するのであれば、定期借地のマンションの購入も検討候補になるかもしれません。
購入代金を家賃の前払いとして、造作を自由にいじれたり、立地や設備の恩恵を受ける対価として管理費や修繕積立金、解体積立金を毎月支払うと考えると定期借地のマンションも一つの魅力として捉えられるようになるかもしれません。
気になる物件がありましたらお気軽にお問い合わせください。