ネット上に掲載されている物件に問い合わせたところ、「こちらの物件は既に契約済となってしまいました。似たような物件があるので、そちらをご案内いたします。」なんて言われた事がある方も多いのではないでしょうか?
売る意思のない物件や売ることの出来ない物件について広告を行う事は、「おとり広告」と言います。
おとり広告は、宅建業法で表示規約において禁止されており、宅建業法32条及び表示に関する公正競争規約(表示規約)21条の違反となります。
【おとり広告の定義】
①取引の申出に係る不動産が存在しないため、実際には取引することができない不動産についての表示
→そもそも存在していない
②取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引の対象となり得ない不動産についての表示
→存在するが取引できない
③取引の申出に係る不動産は存在するが、実際には取引する意思がない不動産についての表示
→存在するが取引する意思がない
また、誇大広告についても禁止となっています。(宅建業法32条)
【誇大広告の定義】
①著しく事実に相違する表示
→つまり虚偽
②実際より著しく優良、若しくは有利であると人を誤認させるような表示
→見栄っ張り
広告で売買すると表示した物件と、現実に売買しようとする物件が異なってしまいますので、著しく相違するものであり、これも誇大広告の一つとなります。
おとり広告をした宅建業者にはこのような処分が待っています。
・指示(同法65条1項、3項)
・業務停止(同法65条2項、4項)
・免許取り消し(同法66条1項9号)
情状が非常に重い時、つまり悪意たっぷりの場合には免許取り消しまで進むらしいです。
さらに、6ヶ月以下の懲役、又は100万円以下の罰金の定めもあります。(同法81条1号)
鉄格子の向こう側に行くリスクを冒すほどのメリットも無さそうなのによくやりますよ…
ですが、掲載されている物件が募集を終了していても、全部がおとり広告というわけではありません。
不動産を探す際に使用するポータルサイトですが、掲載している内容を変更したとしても、それが反映されるまでにタイムラグが存在します。
ですので、確実なのは不動産屋で直接確認することです。
物件を探すとなると、ポータルサイトなどの不動産広告から探すことが多いと思います。
相場と大きくかけ離れた、明らかに条件が良すぎる物件はおとり広告と疑ってみるといいでしょう。