今回は少し肝の冷える話です。
本当はそこには存在しないはずなのですが、土地の上に何かがあるようなのです。
何を言っているのかわからないと思いますが、私も何を言っているのかわかりません。
弊社が取引に関わった土地の詳細を調べていたところ、対象の土地に謎の建物の登記情報が存在しました。
現地を見たこともありますが、建物は一切存在しない平坦な土地でした。
しかし登記記録には建物が存在していることになっており、築年数も不明となっているかなり古い建物のようです。
恐らく木造で、かなり昔に建てられたものではないでしょうか。
気になったので営業担当に確認したところ、意外な事実が判明しました。
実はこれ、登記忘れのパターンでした。
建物を取り壊した際には、「建物滅失登記」という手続きが必要になるのですが、この登記を忘れていたというのが真相のようです。
「建物滅失登記」は法律で義務化され、この登記を怠った場合には罰金の規定も存在しています。
ただ、実際に罰金が科せられるケースは稀であり、登記を忘れることが多いのも現実です。
罰金が稀とはいえども、義務化されている手続きなので忘れずに行うことが望ましいですが…
建て替え等をした際に、新築の建物についてはちゃんと登記をしたが、取り壊した古い建物については登記を忘れていた、というケースもあるようです。
新築で心が躍ってしまうのはわかりますが、滅失登記も忘れずに行いましょう。
一方、このような土地を買う側としても注意することがあります。
金融機関によっては、土地上にこのような滅失登記の漏れが存在する場合には、融資の手続きが進まないケースもあります。
また、建物を新築した際に登記の番号がずれてしまう場合や、売却する際にも契約に支障が出る等、細かい弊害が出てきてしまうこともあるようです。
今回の件ではしっかりと滅失登記を行い問題を解決できたとのことですが、このような土地はまだまだありそうです。
このように、不動産取引には見えない何かが潜んでいる可能性が否定できません。
これらを見るためには登記簿を確認するのがおすすめです。
間違っても午前2時の踏切に望遠鏡を担いで向かっても、見えないものは見えません。
不動産の見えないものを見ようとする場合は、信頼できる業者に任せるのが一番です。