年末年始は銀行も法務局もお休みの期間になりますね。
銀行や法務局が休みになると、一般的には不動産取引もストップします。
そもそも不動産会社もお休みになる会社が多いですからね。
不動産取引をしてはいけないわけではないですが、実務の関係上で取引できないケースがおこってしまうのです。
【銀行】
年末年始や休祝日は、銀行がお休みとなります。
そのため、「振込み」ができません。
インターネットバンキングから、振込みの申込みはできるかもしれませんが、相手口座への着金は翌営業日となっていまします。
そのため、「売買代金の支払い」と「(鍵等の)引渡し」の「同時履行」ができません。
代金をもらっていないのに鍵を渡すわけにはいきませんし、逆に鍵をもらえないのに代金を支払うわけにはいきませんね。
不動産取引は高額になるためこのような問題が生じます。
例えば現金で数千万円を用意できるのであれば、取引自体は行えるかもしれません。
ですが数千万円もの金額が動く取引を現金で行うのは、自分にとっても相手にとっても大変です。
【法務局】
ほぼ銀行と同じタイミングで法務局もお休みとなります。
法務局が休みになってしまうと登記の手続きができなくなります。
不動産取引については、前述の鍵の引渡し以上に大切なのが「登記の名義変更を申請すること」です。
仮に売主が悪徳業者などで、すでに売却済みの物件にもかかわらず、まだ未契約のフリをして更に別の人と契約して売買代金を二重取りしようと企てた場合です。
先に買主となったAさんと、騙された二番目のBさんとでは、契約の後先に関わらず、
先に登記申請をした人が所有権を取得できることになります。(民法177条の対抗要件)
登記を先に入れられてしまい所有権を取得できなかった方の買主は、売主に損害賠償を請求することになりますが、
往々にして売主は雲隠れして連絡が取れなくなっているという事態に陥ります。
このような業者が存在することも、不動産業界への悪評に繋がってしまいます。
本当にタチの悪い連中ですよ。
代金支払いと登記申請のタイムラグは極力短くすることが肝要なのです。
悪者にチャンスを与えないことはとても大切です。
以上のような理由から、銀行と法務局が休みの日は一般的に不動産取引は行われません。
ただし今後は、オンライン手続きの普及などにより、銀行取引が24時間行えるようになる、との一部報道もありました。
取引の実情自体も大きく変わっていくかもしれません。
ですが急速にオンライン化を進めて、どこかの青い銀行のように不具合を乱発するような結果にならないことを願うばかりですね。