コロナ禍で在宅勤務が増え、不動産購入の考え方が大きく変わってきました。職場までの距離や時間の重要性は相対的に下がり、一方では自宅内のテレワークスペースを求める人は増えました。この2つの要素を満たせそうな『戸建て』や少し広めの『マンション』への関心が高まっております。しかし、新築で手に入れるにはウッドショックや資材の高騰により、実際の建築コストの大幅な上昇により販売は伸び悩みもみられます。そのような時代背景を踏まえ、不動産購入前に気に掛けたい3つの事を解説したいと思います。
■不動産購入前には物件以上に『周辺環境』のチェックを行う!
不動産を選ぶときには、家のデザインや住宅設備の性能などに気が取られがちです。しかし、不動産購入時には『物件』以上に周辺環境のチェックに気を付けていただきたいと思います。長年住んでいる地元感覚があれば、問題はありませんが、これから子育て環境や教育環境を考慮して、なじみのない場所に引っ越そうと思われている方は自分の力では変えられない周辺環境は生活していくうえで欠かせないものとなるからです。
例えば病院や学校、公園、生活必需品を買うための店舗などが、家からどの程度の距離にあるのかの確認は欠かせません。自分の足で周辺を歩き回ることで、下見の際に近所の住民と接点を持てる場合もありますし、近所づきあいや自治会はどうなっているかなど今後、暮らしていくために必要なことをできる限り聞いておきましょう。
■不動産購入前には事前に『資金計画』を立てる!
家の値段を「物件価格+購入時諸費用+ローンの利息」の合計と考えるならば、どんなローンを組むのか、どんな返済の仕方をするのかで、家の値段が大きく変わる事を意識されていない方を時々見受けます。家の値段というと、物件価格だけに目が行きがちですが、その高さ、安さだけで決めてしまわない方がいいかもしれません。「人生最大の買い物」といわれる住宅購入、現在の価格高騰が話題になりますが、いざ不動産購入をする際に、住宅ローンの総支払額にビックリされる方も居ます。
理想的な不動産を手に入れても返済不能になっては意味がありません。現在の収入で返済可能なのは当然ですが、金利上昇や夫婦共働きを続けられるかなど、不測の事態にも備えるシミュレーションを行っておきましょう。また、購入後に必要な固定資産税や修繕費なども意識する必要があります。多少の余裕を持った資金計画を立てなければ、家と住宅ローンに縛られた生活になってしまいます。
■不動産購入前に地域の『災害リスク』を必ずチェックする!
ここ数年、大規模な地震や台風、集中豪雨などの被害が目立っています。購入するエリアの災害リスクのチェックは欠かせない要素です。また、近年では想定以上の災害が発生する事も増えている為、その想定は家族内で話し合いが出来ると良いと思います。また、マンションと比較すると戸建ては災害に弱い場合が多いと言われます。土地の安全性が重要となりますので、事前にハザードマップのチェックは必要です。
不動産購入後に災害が発生し、被災した家の資産価値は大きく毀損します。資産が負債となりかねない事も把握しておきましょう。