良い家が欲しい。良い家とは何か?は住宅購入にまつわる永遠のテーマと言えます。
どれだけ極上の仕様にしたとしても、買い物をするのに車で何十分も走らなければならない家は良い家とは言えませんし、仕様・立地ともに文句のない家でも、ローンの返済に追われてしまうようであればその人にとっては良い家とは言えません。
良い家とは?の問答は、モノとしての住宅だけでなく、購入者の生活も含めた総合的な判断が必要なので、ある意味答えのない問いとなってしまいます。
今回は良い家である条件の一つとして「いつでも売ることができる」という考え方についてご説明いたします。
住宅は売る時のことを念頭に購入判断しましょう
住宅購入希望者に「投資家の目線で判断しましょう」とアドバイスすることがあります。
投資家と言われても、住むための家を探しているわけで、住宅購入で儲けようとは思っていない、と感じる方も多いかもしれません。
家は一生で一度の買い物と言われることがありますが、これだけ中古住宅流通が活性化した現在にはそぐわない表現です。
住宅ローンを返済い終えた頃には二束三文とも言われますが、ポータルサイトなどで築30年~35年の売り出し情報を見てみますと、その価格は二束三文と言えるほど安くはありません。
賃貸VS購入の記事なんかでは、購入した住宅を売却することが想定されていないことが多いのですが、将来の売却金額が高いか低いかわからないとしても、いくらかでは売らなければならなくなるので、将来の自分や家族が困らないように、少しでも高く売れる、または買い手が見つけやすい家を、住宅購入の際に選択するべきと言えます。
人口減・家余り時代では「いつでも売ることができる」は、その住宅の価値と言えるでしょう。
持ち家の出口を住宅購入時に想定しながら検討する
いつかやらなければならないけれども、「今はやりたくない…」「先延ばしにしたい…」という心情を「夏休みの宿題」に例えられることがあります。
売ることを想定した住宅購入とはまさに「夏休みの宿題」で、確かにこれからマイホームを買おう!という非常に前向きな気持ちの時に、売ることを想定して…とは、盛り上がったところに水を差すような印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
職を失ったら、病気になったら、などリスクばかりに目を向けると怖くなって住宅購入どころではなくなるかもしれませんが、想定していないと、実際にトラブルに見舞われた時にパニックになってしまいます。
終の棲家といってその家に住み続けるにしても、ご自身が亡くなられた後は、相続するなり、処分するなり、ご自身の所有物のままではいられません。
終わりがある以上、その時に困らないように対策を講じる必要があるわけで、住宅購入においては、一度購入してしまうとどうすることもできないことが多いので、将来困らない家を選ぶというのが、終わりの時に困らない対策となります。
よい家選びとはどこに重きを置くかで基準は変わってくるものですが、「いつでも売ることができる」という基準に重きを置くことは将来的に繋がります。
次回は「いつでも売ることができる」良い家の判断基準を具体的に紹介します!