不動産の販売チラシを見ることがありますか?
たまに販売チラシの隅っこに「任意売却物件のため、債権者の同意が必要です。」との記載がある場合があります。
任意売却物件?債権者?これらの言葉は一体何者なのでしょうか。
任意売却とは、例えば、売主様が住宅ローンを払えなくなり、「差押」手続きなどが開始されてしまっているケースです。
そもそも「差押」なる言葉を耳にする機会もそう多くないかと思いますが、ポ○モンの技や税金Gメン、違反金の滞納などで出てくることがあります。
住宅ローンも税金も違反金も、つまるところは「払うもの払わんかい!」ということですね。
その払うべきものを払えなくなってしまったので、金目の物を押さえられてしまったのが差押と考えればイメージしやすいかと思います。
差押の次は裁判所によって「競売」手続きが開始されます。
裁判所ってこんなこともしているんですね。
税金や違反金を滞納するとGメンたちによって差押をされ、官公庁オークションで売られてしまう流れと同じですね。
ところが競売になってしまうと、通常の取引価格より安い値段になってしまうため、住宅ローンを貸し付けている銀行は貸付金の回収が見込めなくなってしまいます。
つまり足元を見られて買い叩かれ、相場よりも安くなると考えればイメージしやすいかもしれません。
そこで、競売手続きが始まるまでの間に、競売ではなく通常の取引で売却を行おう、というのが任意売却と呼ばれる手続きです。
そのため、任意売却の場合に取引価格の主導権を握っているのは、売主様ではなく銀行などの「債権者」となります。
銀行としては、残っている住宅ローンを、競売が始まる前までに早く回収したいし、一方でなるべく多く回収したい、という思惑があります。銀行も贅沢な悩みですね。
購入する側としては、銀行の急ぎ度合や、残債の額によって、購入できる金額が決まってくることになります。
急いでいるのであれば、なりふり構わず売り払う可能性もあるということですし。
この任意売却の際に注意すべきは、売主様の資産状況に問題がある、という点です。
銀行の住宅ローン以外にも借金や税金の滞納があったりする場合には慎重に手続きを進める必要があります。
現実では少ないと思いますが、一つの不動産を複数の金融業者が担保にしていて、そこから回収をめぐって昼ドラよりもドロドロした展開になる可能性もゼロでは無いのが怖いところですね。
このように、任意売却物件はチラシの文言だけで判断せずに、具体的な取引状況をチェックしましょう。
相場よりも安く購入できる可能性もありますが、それなりのリスクが存在するので、経験豊富な不動産業者への相談をオススメします。